＜二年目春─パラの卒業式＞教室
主人公（今日は、三年生の
卒業式だな。）
伊集院 「やぁ、おはよう。
主人公「ああ、伊集院か。
伊集院 「今日は、卒業式だね。
そこで、僕に協力させて
あげようじゃないか。
主人公「協力？お前に？
嫌だよ、何をさせられるか
わかったもんじゃない。
伊集院 「あいにくだが、
君に斷る權利はない。
主人公「そ、そんな…。
伊集院 「わかったらついてきたまえ。
詳しい指示を
与えようじゃないか。
主人公「‥‥‥‥。
•
•
•舞台裏
主人公「‥‥‥‥。
俺は、タイミングを
計って、お前にスポットを
當てればいいんだな？
伊集院 「そうだ。
しっかり賴むよ。
主人公（妙なことに
なっちまったなぁ…。）
そして、卒業式は滯りなく進み…
先生 「卒業生、退場。
伊集院 「待ちたまえ！
主人公（よし、スイッチオン。）
伊集院 「卒業生諸君、
これは僕からのささやかな
はなむけだ。
受け取ってくれたまえ！大量的薔薇花撒下
伊集院 「君らの前途が、このバラの花の
ように華やかで、幸多いもので
あることを、この伊集院レイ、
心から祈念している！
主人公（伊集院、お前…。
もうちょっと普通に
勵ませよ。）
伊集院 「在校生諸君、拍手だ。
拍手で、卒業生を
送ろうではないか。
伊集院 「さぁ、行きたまえ。
きらめき高校が母校である、
その誇りを胸に！
主人公（ああ、俺も伊集院の
片棒擔いだことに
なるんだよなぁ…。）
＜伊集院流下校手段＞
伊集院 「はい。
ああ、僕だ。
‥‥‥‥。
何？
わかった、すぐ行く。
主人公「どうしたんだ、伊集院？
伊集院 「何、ちょっと
急用ができたのでね。
これで失禮するよ。
主人公「ふーん。
じゃあな。
主人公（…と言いながら、
何故階段を上って行くんだ？
ついていってみるか。）
伊集院 「なんだ、ついてきたのか。
主人公「どうして屋上に來たんだ？
歸るんじゃないのか？
伊集院 「なるほど。庶民には、
想像もつかなかったか。
無理もない。
主人公「はぁ？
伊集院 「おや、迎えが來たようだ。
主人公「む、迎えって…。
おい、
ヘリコプターじゃないか。
伊集院 「さらばだ、また會おう。
はーっはっはっはっ！
主人公「‥‥‥‥。
＜傳說の樹＞
屋上
主人公（あっ、あれは
伊集院じゃないか。
何してるんだろう？）
伊集院 「ああ、君か…。
主人公「何してるんだ、
伊集院？
伊集院 「別に、何と言うほどの
ことでもないがね。
主人公「珍しく、暇そうだな。
伊集院 「たまには、
そういうこともあるさ。
主人公「ふーん。
‥‥‥‥。
傳說の樹を見てたのか？
伊集院 「おや、君も
知っているのかい？
あの樹にまつわる傳說を。
主人公「ああ、一應な。
有名な話なんだろ？
伊集院 「そのようだね。
‥‥‥‥。
君は、信じているのかね？
「信じている」
伊集院 「なるほど。
幸せな男だな、君は。
主人公「そういうお前は
どうなんだ？
伊集院 「無邪氣にそんな言い傳えを
信じられるほど、
純粹ではないのでね。
主人公「つまらないことを
言うなぁ。
伊集院 「フフフ…。
では、僕が傳說を心から
信じていると言ったら？
主人公「うーん…。
伊集院 「まぁ、真偽のほどはさておき、
あの傳說にもそれなりの
價值はあると思うよ。
主人公「えっ？
伊集院 「あの傳說が、卒業式の日に
告白しようとする女性の心の
支えになるならね。
主人公「なるほどね。
伊集院 「永遠の幸せとやらが
どんなものか、
僕にはわからない。
だが、あの傳說は…。
美しいものだと思う。
主人公「‥‥‥‥。
伊集院 「おしゃべりが過ぎたな。
僕は、もう失禮するよ。
主人公「ああ、じゃあな。
（美しい、ねぇ…。）
「信じていない」
伊集院 「おやおや。それじゃ、
卒業式に告白されたら
どうするんだい？
主人公「うっ…。
お、お前はどうなんだよ。
伊集院 「あいにくだが、僕は卒業と
同時に海外へ留學することに
なっている。
そんな僕に告白するような
醉狂な女性はいないよ。
主人公「そうか？
お前、モテるじゃん。
伊集院 「フッ…。
主人公「何だよ、その笑いは。
伊集院 「いや、なんでもないよ。
主人公「で、お前は傳說を
信じてるのか、
信じてないのか、どっちだ？
伊集院 「そうだね、
信じたいものだ、と
答えておくよ。
主人公「ふーん。
伊集院 「おしゃべりが過ぎたようだ。
失禮するよ。
主人公「ああ、じゃあな。
主人公（伊集院のやつ、本當は
傳說を信じているんじゃ
ないか？）
＜主人公倒れ＞
主人公（うーん、ちょっと
熱っぽいな。）
主人公（…あれ？）
•
•
•
主人公（うーん…。
俺は、どうしたんだろう。）
女の子 「良かった、
氣がついた…。
主人公「‥‥‥‥。
伊集院？
伊集院 「ど、どうやら、
目がさめたようだね。
主人公「俺、どうしたんだ？
伊集院 「突然、廊下で
倒れたのだよ。
主人公「そうだったのか。
…ここは？
伊集院 「保健室だ。
主人公「もしかして、お前が
連れてきてくれたのか？
伊集院 「何、伊集院家私設醫師團に
命じて運ばせただけさ。
主人公「そうか…。
サンキュー。
伊集院 「なに、禮には及ばないよ。
君なんかに廊下に
倒れられていては、
通行の邪魔だからな。
主人公「ところでさ、さっき
女の子の聲が聞こえた氣が
したんだけど、誰かいたの？
伊集院 「な、何を言ってるんだ。
幻聽じゃないのかね。
主人公「幻聽か…。
伊集院 「そ、それじゃ、
僕はもう失禮するよ。
主人公「ああ、迷惑かけたな。
伊集院 「そう思うのなら、
少しは体調に氣を
配りたまえ。
主人公「そうだな、
そうするよ。
（とにかく、今回は素直に
伊集院に感謝しておこう。）
＜Normal ED＞
日本機場，送レイ出國的主人公
『いよいよ、出發だね。
「ええ。
しばらく、お別れね。『殘念だな。せっかく…その…。
「私が女だってわかったのに？
『うん。しかも、それが俺に告白してくれて…。
「ふふふ…。なんだか、まだ信じられないみたいね。
『そりゃ、三年間ずっと男だと思ってたんだから。實は女だったって言われても、すぐには…。
「じゃぁ、男の姿に戾りましょうか？
『わっ！よせ、やめろ。
「そんなに嫌なの。
『そ、それは…。
大体、男の姿に戾ったら、俺達は男同士ってことになっちゃうじゃないか。「じゃあ、今度はあなたが女裝すれば？
『じょ、冗談じゃない。
似合うもんか。「あら、わからないわよ。試してみる？
『‥‥‥‥。やめとくよ。想像しただけで氣持ち惡い。
「そうね。日本で最後に見たあなたの姿が女裝じゃ、ちょっと樣にならないものね。
『そうだろ？
「うふふふふ…。
『‥‥‥‥。
「こんなふうに話せる機會もしばらくないのね。
やっぱり、寂しいわ。『まあな。でも、大丈夫だよ、きっと。きらめき高校の傳說が、俺達に味方してくれるさ。
「あら、だらしないわね。
『えっ？
「私は、傳說に寄りかかって、ただ私の歸りを待っているような男を好きになったんじゃないつもりよ。
『そ、そう？
「その氣になったら、いつでも私を追いかけてきて。
『えっ？追いかけてこいって…。
「決まってるでしょう？
『アメリカまで…？
「ええ。來られるものならね。歡迎するわよ。
『言ってくれるぜ…。よし、いつか留學先に押しかけてやる。
「樂しみに待ってるわ。
『その日まで、元氣でな。
「ええ。さよならは言わないわよ。
＜2nd End，髮型變換ED＞
在美國機場見面的兩人，主人公因為籃球優勝到美國留學『ーっ、やっとアメリカに著いたぜ…。さて、レイが迎えに來てくれるって言ってたんだけど…。
「久しぶり。
『あっ、レイ…。あれ、髮型、少し變えた？
「ええ。どう？
『ああ、いいんじゃないか。よく似合ってるよ。
「ありがとう。
『もう、すっかり女の子だな。
「私はもともと女の子なの。
『まあ、そうなんだけどな。
「意地惡ね。
『ははは、惡い、惡い。
「旅は、どうだった？
『よくわからないけど、こんなもんじゃないの？
「伊集院家の自家用機を使ってくれて良かったのに。
『ま、まあ、いずれ機會があれば乘せてもらうよ。
「そう。遠慮はいらないから、いつでも言ってね。
『う、うん。自家用機はともかく、これからよろしく賴むよ。
「こちらこそ。せっかく、同じ國に留學してきているんだから。
『そうだね。バスケで全國優勝したのは、こうなってみるとすごい幸運だよね。
「ええ。普通なら、日本とアメリカに離ればなれになるところなんだから。
『これも、傳說の樹のご利益かな？
「ふふふ…。さぁ、どうなのかしら。
でも、優勝できたのは、あなたが努力した成果でしょう？『そう？
「ええ。本場でどこまで通用するか、樂しみだわ。
『うーん、俺はちょっと心配だよ。
「大丈夫よ。きっとね。
『そうかな。
「ええ。高校のときみたいに頑張ればね。あとは、あなたの努力次第。
『そうだね、それじゃ頑張るかな。
「さぁ、そろそろ行きましょう。車を待たせてあるの。
『よし、行こうか。
「あっ…。 會いたかった…。ずっと、待ってたのよ…。
『うん、俺もだよ。もう、離さない…。レイ…。