ときめきメモリアル　ドラマシリーズVol.2 彩のラブソング

ときめきメモリアル
ドラマシリーズ
Vol.2 彩のラブソング

伊集院好雄伊集院好雄伊集院好雄伊集院主人公伊集院好雄主人公好雄	いやぁー君たち！　い、伊集院…。　どうせ大したことではないだろうが、庶民同士で何の相談だね？　お前には關係ないだろ。　ま、知りたくもないがね。　じゃ、聞くなよ…。　ところで、我が伊集院家が主催するバンドコンテストに、君も出場するそうだねえ。　な！　あのコンテスト、お前んとこが主催してんのか？　學校行事最大のイベントである文化祭に一役買うのはこのきらめき高校を支える伊集院家として當然のことじゃないか。ま、凡人の才能では期待できないが、せいぜいコンテストの品位を下げない曲を作ってくれたまえ。それじゃ、僕は失禮するよ。はーははははは…。　とことんイヤミなヤツだなぁ…。　バンドコンテスト、あいつんとこが主催してるのか…。　大いに心配だな…。

主人公詩織伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公伊集院主人公詩織主人公	な！　あの聲は！　伊集院君…。　どうだね、我が伊集院家の特設野外ステージは？　えらく間の拔けた顏で見ていたようだが、庶民にはいささかショックが大きかったようだね。　なんだ、自慢しに出てきたのか？　自慢とは失敬な。無知な庶民にこのステージの素晴らしさを解說してやろうというのだ。ありがたく思いたまえ。　それが、自慢だって言うんだよ。　何か言ったかね？　なんでもないよ。とっとと解說して歸ってくれ。　フッ、解說を聞きたいのなら素直に言えばいいものを。　（こいつだけは…）　仕方がない。特別にこのステージの解說を聞かせてあげよう。　はいはい…。　まず、スピーカーは消費電力1.25ジゴワットの超巨大スーパーウルトラスピーカーを搭載。オーロラビジョンはメロンパンドームのものを凌ぐ世界最大サイズ、しかも５億本もの走查線を實現。毛穴の隅から隅までくっきりの超ダイナマイトビジョン。そして、照明裝置はコンピュータ制御による完璧なオートメーションシステムを導入。アリンコ一匹の動きをも余すことなくダイナミックに演出してくれるはずだ。また、50トンの花火と、100トンのドライアイスを裝備。時には激しく、時には幻想的に、ありとあらゆる曲に合わせた最高の演出を可能にしている。世界中のアーティストがヨダレを垂らさずにはいられない最高の設備。このステージだけですでに最高のエンターテイメントが約束される。まさに今世紀最大、空前絕後にして前人未踏の世界最高のステージなのだよ。　…。　ハハハ…どうやら、グウの音も出ない樣子だねぇ。　いつものことながら…。　何だね？　やりすぎだろ？　やりすぎ？　まあ、確かに君たち庶民のヘッポコバンドにはもったいないが、この僕が司會をするのだからこのくらいの設備は必要だろう。　な！　お、お前が司會をするのか…？　當然じゃないか。文化祭史上最大の目玉イベントをこの僕以外に誰が進行できると言うのだね？　お前以外のやつなら誰でもいいよ。　フッ、減らず口を…。まあ、馬車馬のように練習して、せいぜい恥をかかない程度の演奏を見せてくれたまえ。それじゃ、僕は失禮するよ。はーはっはははは。　まったく、なんなんだあいつは…。　ふふ…でも、伊集院君のおかげでこんなすごいステージで演奏できるんだから。　まあ…ね…。

伊集院伊集院	待ちたまえ！　僕が主催するバンドコンテストを無斷で欠席させるようなマネは僕のプライドにかけて許すわけにはいかない！　まあ、どうせ大したことのない歌なのはわかりきっているがね…とにかく、君達が最後のバンドだ！　さあ！　さっさとこの場で歌いたまえ！

主人公詩織主人公詩織主人公詩織主人公詩織主人公主人公詩織主人公詩織主人公主人公詩織主人公詩織主人公詩織	バンド大會って伊集院家が主催なんだね。　屋外ステージはすごいのができるみたいよ。　そのステージの前であいつが自慢する姿が目に浮かぶよ…。　ふふふ、本當ね。　伊集院のあのイヤミな性格、何とかならないかな。　うん…。でも、伊集院君、根は優しいんじゃないかな？　あいつが優しい？　それは絕對にないよ。　そうかな…。優しさを素直に表現できないだけなんじゃないかしら。　あいつに優しくされたら、俺ショック死するよ。　伊集院のヤツ、俺に對して特にイヤミがひどいみたいなんだけど。　きっと、あなたのことが好きなのよ。　やめてくれよ。氣色惡い。　伊集院君、きっとあなたに相手をしてほしいのよ。　もしそうだとしたら、まずあの性格をなおしてほしいよ。　伊集院のイヤミ、どうにかしてほしいよ。　伊集院君、ひょっとしてさびしいんじゃないかな。　伊集院がバンド大會の司會とは…辛すぎる…。　そう？　私はぴったりだと思うけどな。伊集院君って華があるから。　華がありすぎるんだよ。背中にバラしょってるみたいなもんだから…。あいつのワンマンショーにならないか心配だよ…。　それは確かに心配ね…。

主人公如月主人公如月主人公主人公如月主人公如月主人公主人公如月主人公如月	伊集院のこと知ってる？　この學校で伊集院さんを知らない人はいないんじゃないでしょうか。　あいつ、どこにでも顏を出してくるからな。　でも、學校中の皆さんに知ってもらえてるなんて、素敵なことですよね。　知られ方にもよると思うけど…。　伊集院が女の子にもてるのが信じられないよ…。　バレンタインデーのときは大變な騷ぎでしたね。　とにかく伊集院の性格にはまいるよ。　ふふ、個性の強い方ですからね。　（個性というかアクが強いんだよな、アレは…）　バンドコンテストの司會、伊集院がやるんだって。まいったよ…。　それで、あんなに大きなステージができてるんですね。　さんざん自慢されたよ。　ふふ、コンテストが樂しみです。

主人公紐緒主人公紐緒主人公主人公紐緒主人公紐緒主人公紐緒主人公紐緒主人公紐緒主人公紐緒主人公	紐緒さんは伊集院のことどう思う？　あの財力の使い道には、許せないものがあるわね。　めずらしく意見が合うね。俺もそう思ってたんだよ。この前だって…。　私の科學力と、あの財力があれば、野望達成の實現も速まるというのに…無馱だわ。　（人の話なんか聞いてないな…）　噂によると伊集院の家って私設軍隊があるらしいよ。　ふっ、あんなもの。私の科學力の前では取るに足らない代物よ。　すでに調查濟みなんだ…。　あの程度で軍隊なんて、認識が甘すぎるのよ。　紐緒さんには伊集院の私設軍隊なんて目じゃないんだ？　ふっ、あんなもの。私の科學力の前では取るに足らない代物よ。　伊集院の金の使い方、どうにかなんないかな。　あの財力…。うまく味方に付ければ研究資金には事欠かないわね。　伊集院の特設ステージ、また譯の分からない豪華さになってるよ。　そう…今度見に行ってみようかしら。　興味あるの？　使えそうなパーツがあったら取ってくるのよ。　（盜むのか…？）

主人公古式主人公古式主人公主人公古式主人公古式主人公主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公古式主人公主人公主人公主人公古式主人公主人公古式主人公古式	古式さん、伊集院のこと知ってる？　伊集院さんのことは、幼少の頃から存じ上げております。　え？　そうなの？　はい。古式家と伊集院家は、家族ぐるみのおつきあいをしておりますので。　そ、そうだったんだ？　古式さんが伊集院と幼なじみだったなんて知らなかったよ。　あまり學校でお話しすることはありませんので。　あいつってさ、昔からああなの？　そうですね、昔からあのような方でしたよ。　やなガキだったんだろうな…。　あのさ、伊集院の秘密、何か知らない？　秘密…ですか？　そう、なんか、あいつをぎゃふんと言わせられるような、恥ずかしい話とか、人には言えないような話。　秘密にしておくように言われていることはございますけど…。　それ！　その秘密教えてよ。（あいつにもうデカイはさせないぞ）　困りましたね。本當に秘密にするように賴まれていますので…。　そこを何とか。（相當な秘密みたいだな…）　申し譯ございません。やはり教えるわけにはまいりません。　ガク！　伊集院の秘密、知りたいなぁ。　申し譯ございません。やはり教えるわけにはまいりません。　伊集院の秘密、どうしても教えてもらえない？　はい、約束ですから。　伊集院の秘密、絕對誰にも言わないから…教えて？　お父樣とも相談しませんと…。　伊集院の秘密、どうしても知りたいんだけど。　そう申されましても…。困りましたねぇ。　伊集院の秘密、どうしても知りたいんだけど。　そんなに興味があおりなのですか？　すっごーく、ある。（あいつの弱みさえつかめれば…）　そうですね。そこまで知りたいとおっしゃるなら…。　教えてくれるの？　皆さんには內緒ですよ？　分かってるって！　あの樣な服を著ていらっしゃいますが…實は伊集院さんは、おん… 　（銃聲）　（何だこの銃聲…は…）　（むにゃむにゃ…）　あれ、ここは運動部の部室前…？　はて、俺はこんな所で何をしてるんだろう…。思い出せない…。あ、もうバンドの時間じゃないか。とりあえず行かないと…でも何があったんだろう…？　伊集院の秘密って何？　あなたのお身体のためにも、教えない方が良さそうですので…。　え？　何のこと？　伊集院の秘密教えてよ。　お身体に障りますよ。　伊集院の秘密、知りたいなぁ。　申し譯ございませんが、お答えいたしかねます。

主人公朝日奈主人公朝日奈主人公主人公朝日奈主人公朝日奈主人公朝日奈主人公朝日奈	朝日奈さんは伊集院についてどう思う？　伊集院君？　超お金持ちなのよね。この學校の理事長の孫なんでしょ？　口が惡くて、イヤミで、自慢話が多くて…とにかく嫌なヤツなんだ。　でも伊集院君がいるからバンドコンテストもある譯だし、それなりにいいとこもあるんじゃない？　うーん… 　そうそう、バンドコンテスト、伊集院のヤツが司會らしいんだ。　へえ、そうなんだ。　コンテストが無茶苦茶にならないか心配だよ。　漫才大會も伊集院君が司會なのかなぁ。私もちょろっと不安。　俺、伊集院と同じクラスなんだよ…。　ふーん、なんか苦勞が多そうだね。　できれば一生、伊集院とは顏を合わせたくないよ…。　でも、いなくなると寂しいタイプだと思うよ。

提供／七瀨みゆ